大人から始めてどこまで上達できるか

3歳から習わなくてもピアノは弾ける。それもかなりのところまで。
クロバット的超絶技巧とまでは行かなくても、ショパンエチュードのうち難曲でない曲、ベートーヴェンなら「ワルトシュタイン」より前のソナタ(悲愴、月光、テンペストなどを含む)あたりまでなら、努力すれば手が届く可能性がある。努力と適性次第ではそれよりもっと伸びるかも。


しかし、できれば30代までに始めた方がよい。30代半ば以降は頭や指の衰えが出てくる。しかも練習の成果が出るころにはさらに歳をとっているから、やはり歳を取るほど不利には違いない。
20代までに始められれば、幼少スタートに比べそれほどのハンディはない。10代ならなおよい。


下のエントリーでも書いたが、女性などで片手オクターブ届かないという人は、やはり上達はかなり困難と言わざるをえない。
しかしこれはほぼ生まれつきと栄養状態で決まるもので、小さい時から練習していても届かない人は届かない。
小さい時から練習していることにより、指が成長する、指を広げる筋肉が発達する、ということもあるかもしれない。


しかしピアノを小さい時から練習している人と、そうでない人の間に指の成長に違いがあるかどうかについては、あまりよくわかっていないよう。そのことについて実証的で根拠ある研究がなされたという話も、今のところ聞いたことがない。
「酢を飲めば体が柔らかくなる」と同レベルの民間療法のようなものではないかという気もする。
「広げることはできないけど、もう片方の手で引っ張れば届く」という大きさの人なら、筋肉を鍛えることで伸ばすことができるかもしれない。ただし腱鞘炎には注意。親指付け根に来ることが多いので、このあたりに妙な疲れを感じる時はほどほどにしておいた方がよい。