桂離宮、修学院離宮、京都御所、仙洞御所など、宮内庁管理文化財の参観申込み(予約・見学)の注意。あと西芳寺(苔寺)や、西本願寺の非公開文化財についても

他に書いている人も多いですが、質問サイトなどで間違ったことを書いている人もいるので、私の知る限りのことをまとめました。


京都にはこれら以外にも期間限定公開の文化財が多数あり、それらについてはこちら
http://blog.goo.ne.jp/hirokikurioka
などが参考になりますが、非関西圏の方には期間限定では参観しにくいのが現実です。
事前申込の必要があるもののおおむね一年中公開していて、有名どころとなると、だいたい上記になるのではと思います。

宮内庁関連の要点

最も確実なのは往復ハガキ。
「京都事務所からのお知らせがあります。」はよく読むこと。
時間などに融通を利かせてほしい or 直前 or そこへ行くのを旅の第一目的にしていないなら、次いで窓口。
東京の宮内庁でも申込可。
ネット枠は宝くじ。
桜・紅葉期(3月下旬から4月上旬、11月中旬から12月中旬)と土曜は避ける。

2013/1 オンライン申込の見直しについて追記

「京都事務所からのお知らせがあります。」
http://sankan.kunaicho.go.jp/index.html
の2013/1/10によると、下記引用の通り、オンライン申込の見直しを検討しているとのこと。

2013/01/10 オンライン申込みの試行について(2月参観分)
仙洞御所ならびに両離宮のオンライン申込みについて、一部運用方法の見直しを試行します。
1月15日以降、順次オンラインの申込みに反映させていきます。
なお、対象は2月参観分のみとし、今後については未定です。

1月下旬現在で、2月分のすでに満員だった日に、最大8人程度の空きが新たに出来ている。
おそらく参観まで1ヶ月を切ってハガキ受付が締切となってもハガキ枠に空きがある分を、ネット枠に回したのではないかと思われる。
今のところ2月のみの試行だが、今後通年でこのような対応になれば、ネットで申し込みやすくなりそう。
しかしもしそうなっても、あくまでハガキ枠に空きがある場合。混雑期などはハガキ申込だけで満員になってしまうので、ネット枠に回ってくることはないだろう。
ハガキが優先で一番確実であることには変わりない。


2013/2/15追記  3月分も引き続き同様の試行をするとのこと。

2013/02/15 オンライン申込みの試行について(3月参観分)
仙洞御所ならびに両離宮のオンライン申込みについて、2月参観分に引き続き3月参観分についても運用の見直しを試行します。
空き状況を順次更新していますので,ご確認ください。

2013/03/21追記 まだ「試行」となっているが、ほとんど今後の本施行が決まったと思ってよさそう。

2013/03/21 オンライン申込みの試行について
仙洞御所ならびに両離宮のオンライン申込みについて、引き続き運用の見直しを試行します。
空き状況を順次更新していますので,ご確認ください。

ネット申込と往復ハガキは別枠。定員の8割以上はハガキ枠

宮内庁の参観申し込みwebサイト
http://sankan.kunaicho.go.jp/index.html
からの申込は、往復ハガキ枠とは別枠。webサイトで空きなしになっていてもハガキ、窓口枠はほとんどの場合、充分な空きがある。
桂離宮修学院離宮、仙洞御所の場合、ネット枠は各時間ともだいたい定員4人。一回の総定員を仮に30人くらいとすれば、8割以上はハガキ枠ということになる。

応募の多い桂離宮などは、ネット枠には初日に定員をはるかに上回る申込があるので、ネット申込で当てるのはほぼ無理といえる。定員の比較的多い京都御所は、ネットでも応募しやすい(ネット枠だけでも1枠40-100人)。
ハガキでも、桂離宮はやはり一番人気で、締切を待たずに満員となることが多いよう。
修学院離宮なら、ハガキなら混雑期でなければ一ヶ月前でも空きがあることが多い。
仙洞御所は比較的申込が少ないので、直前でも予約が取りやすいよう。仙洞御所は紅葉の名所で、紅葉シーズンは人気のようだが、少なくとも2012年5月に確認した中では、最も遅くまで空きがあった。参観が一日二回なのも比較的参観が少ないからと思われる。
(まあ遠方の人なら、まず京都御所を見るでしょうから、ある意味マニアックな名所ですよね)


ハガキなら桜と紅葉期(京都の場合、4月上旬、11月中旬から12月中旬)を除けばいずれも、三ヶ月前の上旬に申し込めば、大抵予約が取れるよう。
申込期限は申込要項では、

参観希望日の3ヶ月前の月の1日の消印から希望日の1ヶ月前の日の消印のあるものまで
(例)5月10日希望の場合…2月1日(消印)〜4月10日(消印)

日付先着順。同日で満員になれば、その日の分を抽選のよう。


宮内庁の申込要項
各施設 > ○○○参観要項
http://sankan.kunaicho.go.jp/about/rikyu.html
ハガキは書式が決まっている。書き方は、わかりにくいが、
各施設 > ○○○参観要項 > はがきの書き方 とクリックしていく。
http://sankan.kunaicho.go.jp/about/hagaki03.html


日曜祝日は実施しない。土曜も観光シーズンには毎週、オフシーズンは第三土曜日に受付けているが、激混みが予想される。ハガキ枠でも土曜は申込開始後すぐに埋まる。なるべく平日にした方がよい。

ネット申込は同日抽選。早起きしても無駄

とはいえ、ハガキでは時間指定ができないので、一日一ヶ所しか申込が出来ないなど不自由。遠方からの人にとっては、ネット申込で当たればそれに越したことはない。
三ヶ月前の1日朝5時から申込可能。例えば6月の場合、3/1に6月末までの応募を開始する。
ネット予約は1日でほぼすべて埋まるが、同日申込の場合、先着順ではなく抽選となるので、早朝に慌てて申込む必要はない。例えば四人枠で四人以上いくら申込があっても、その日いっぱいは申込ができ、当選に順序は関係ないよう。
一日午前5時にはアクセスが集中し、サーバがダウンすることもあるようなので、無意味な5時からの一斉アクセスは控えましょう。宮内庁も迷惑していると思う。


結果は後日、メールにて届く。京都御所と違い、直ちに許可書がダウンロードできるわけではない。


1日の申込で落選してしまった場合は3日か4日頃、1日の抽選が終わった頃に追加募集が若干出るが、当然ながら少ない枠に落ちた人が集中するので、当選する可能性はさらに低くなる。それからさらに2.3日後に抽選結果の連絡があるまで、ハガキ投函は待たざるを得ない。
初日に落ちたら、さっさとハガキ申込に切り替えた方がよい。


紅葉期、土曜など応募が殺到する日にあえて申し込むのであれば、ネット枠には応募せず、1日付け消印で往復はがきを出すのが最も当選する可能性が高い。

「京都事務所からのお知らせがあります。」に、ハガキ応募状況が載ることも

ハガキは原則として一週間以上経ってから返信が届くまで、通ったかどうかわからない。
ただし申込webサイトに「京都事務所からのお知らせがあります。」
という目立たないページがあり、観光シーズンなどはこちらにハガキ応募の状況、受付締切日が載るので必見。私はこれに気が付かず、満員の日にハガキを申し込んでしまったことがある。応募状況について何も載っていない季節もあるので、なおさらわかりにくい。
逆に言えば、このコーナーに何も載っていない時期は、比較的直前まで空きがあると考えてよさそう。
2012年の掲載を見る限りでは、基本的に桜・新緑期(4-5月)、紅葉期(11-12月)にしか掲載されないようだ。


例えば2012年9月下旬現在、以下の応募状況が載っている。

2012/09/24 はがきの申込み状況について(10月分、11月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
京都御所:11月24日9時、11時(標準コース)
仙洞御所:11月10日,14日,15日,17日〜30日は満員
桂離宮:10月26日〜29日,11月2日〜5日,9日〜30日は満員
修学院離宮:11月3日,10日,13日,15日〜30日は満員
なお、申込状況は随時更新されますのでご了承下さい。

当然、これが掲載された時点ですでに投函されているハガキにより満員になる日もあるので、いつがあまり混まないか、予想する必要がある。
はがき申込は希望日の一ヶ月前までが締切なので、10月下旬までは申込めない(窓口申込はまだ可)。
(10月分、11月分)とあるので12月分はどうかわからないが、12月分も9/1に申込開始しているのに、受付開始から一ヶ月近く経っても比較的余裕がありそうなことがわかる。12月中旬以降の紅葉後ならまだ空きがありそう。
一方、ネット枠は9/1のうちに12月分は全て埋まっている。

【参考】2012秋、2013春のハガキ申し込み状況

2012/9/24 秋のハガキ申込み状況がwebサイトに載りはじめる。

2012/09/24 はがきの申込み状況について(10月分、11月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
京都御所:11月24日9時、11時(標準コース)
仙洞御所:11月10日,14日,15日,17日〜30日は満員
桂離宮:10月26日〜29日,11月2日〜5日,9日〜30日は満員
修学院離宮:11月3日,10日,13日,15日〜30日は満員

10/3の申込状況。すでに1月の申込が始まっている。

2012/10/03 はがきの申込み状況について(11月分、12月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
京都御所:11月24日9時、11時(標準コース)
仙洞御所:11月6日,10日,14日,15日,11月17日〜12月10日は満員
桂離宮:11月〜12月10日,12月15日は満員
修学院離宮:11月3日,11月10日〜12月10日は満員

2012/10/10 はがきの申込み状況について(11月分、12月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
京都御所:11月24日9時、11時(標準コース)
仙洞御所:11月10日,11月14日〜12月11日は満員
桂離宮:11月〜12月10日,12月15日は満員
修学院離宮:11月10日〜12月10日,12月15日は満員

2012/10/15 はがきの申込み状況について(11月分、12月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
京都御所:11月24日9時,11時,13時30分(標準コース)は満員
仙洞御所:11月15日〜12月11日は満員
桂離宮:11月〜12月11日,12月15日は満員
修学院離宮:11月15日〜12月10日,12月15日は満員

10/25 まだ12月下旬は空いている。

2012/10/25 はがきの申込み状況について(11月分、12月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:11月〜12月12日は満員
桂離宮:11月〜12月11日,12月15日は満員
修学院離宮:11月〜12月10日,12月15日は満員

11/1 2月分申込開始日。ネット枠は相変わらず1枠4人のよう。
修学院離宮が12/11以降空いているのは、標高が少し高く紅葉が早く終わるためと思われる。
11/2 閑散期のためか、申込開始2日目なのにネット枠にもかなり空きがある。桂離宮でも1/3くらい、修学院離宮では半分以上の枠に空きがある。

2012/11/01 はがきの申込み状況について(12月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:12月3日〜12月12日は満員
桂離宮:12月3日〜12月13日,12月15日は満員
修学院離宮:12月3日〜12月10日,12月15日は満員


11/13前後
「お知らせ」からハガキ申込状況の記載がなくなった。お知らせの日付は11月1日から10月24日に戻っている。


2013年春

2013/01/28 はがきの申込み状況について(4月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:4月4日〜4月10日,13日は満員
桂離宮:4月6日〜10日,13日は満員

2013/02/06 はがきの申込み状況について(4月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:4月4日〜4月10日,13日は満員
桂離宮:4月5日〜10日,13日は満員
修学院離宮:4月8日は満員

2013/02/15 はがきの申込み状況について(4月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:4月4日〜4月11日,13日は満員
桂離宮:4月5日〜11日,13日,15日は満員
修学院離宮:4月8日は満員

2013/02/27 はがきの申込み状況について(4月,5月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:4月3日〜4月13日,5月4日は満員
桂離宮:4月1日〜15日,17日,20日,5月4日,11日は満員
修学院離宮:4月6日,8日,13日は満員

2013/03/07 はがきの申込み状況について(4月,5月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:4月3日〜4月13日,5月4日は満員
桂離宮:4月1日〜17日,20日,22日,27日,5月4日,11日,18日,25日は満員
修学院離宮:4月5日〜9日,13日は満員

2013/03/21 はがきの申込み状況について(5月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:5月4日は満員
桂離宮:5月4日,11日,13日,18日,25日は満員
修学院離宮:5月4日,11日は満員

2013/03/27 はがきの申込み状況について(5月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:5月4日は満員
桂離宮:5月4日,10日〜15日,18日,25日は満員
修学院離宮:5月4日,11日は満員

2013/04/18 はがきの申込み状況について(5月分,6月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:5月4日〜8日,10日,11日は満員
桂離宮:5月1日〜4日,8日〜20日,25日,6月3日,15日は満員
修学院離宮:5月4日,11日は満員

2013/04/26 はがきの申込み状況について(5月分,6月分)
現在、各参観場所のはがき申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:5月2日,4日〜8日,10日,11日,18日は満員
桂離宮:5月1日〜27日,6月3日,7日,15日は満員
修学院離宮:5月4日,11日は満員

2013/05/13 はがき及び窓口の申込み状況について(5月分,6月分)
現在、各参観場所のはがき及び窓口の申込みは下記のとおりとなっています。
仙洞御所:5月18日は満員
桂離宮:5月は29日まで,6月3日,5日,7日,15日は満員
修学院離宮:6月3日は若干多くなってます。


7月の申し込みが載りはじめた。例年は5月か6月上旬までなので、通年で案内をするようになったのかもしれない。


(2013/9)2013年秋シーズンになっても定期的に載り続けるようになったので、以下省略。

宮内庁京都事務所での直接申込

ハガキは1ヶ月前までが締切。ネット枠は4日前までとなってはいるが、京都御所を除けば枠は4人程度なので、事実上3ヶ月前の1日でなければ当たる可能性はほぼない。
つまり1ヶ月を切ったら定員いっぱいにならなくても窓口を除き締め切られるので、空きがあるままの日もある(もったいない・・・)。
窓口なら前日まで申込可能なので、その空き分に申し込みできる。
満員になっても、キャンセル分や外国人枠(比較的申込みやすい別枠があるらしい)に空きがある場合など、窓口で融通をきかせてもらえることが多い。前日でも混雑期でなければ予約が取れることが多い。
当日申し込みは不可。
こちらにも体験談あり。
http://www.kahans.com/travel/20120309193502/


実際、今まで観た全てのコースで、外国人観光客をそれぞれ数人見かけた。私の印象では、桂離宮修学院離宮、仙洞御所の定員は各時間30数人(うちネット枠4人)プラス外国人/窓口直接枠が数名、という内訳のように思われる。


遠方の方も二日以上滞在する場合は、ぜひ事務所を訪ねるべき。ただし平日のみ、8:45〜12:00,13:00〜17:00。要身分証。
京都事務所の場所は、多くの観光ガイドには載っていない。グーグルマップにも載っていない。京都御苑のうち一番北西の乾御門を入ってすぐ南(京都御所の参観受付の清所門もここからすぐ)。
最寄りは地下鉄今出川駅、バス亭烏丸今出川
参観申込Top > 京都御所参観要項 > 交通アクセスの地図を参照

東京の宮内庁でも直接申込可

宮内庁で配っている「一般参賀・参観等のご案内」というパンフによると、申込手続きについて、下記の記載があった。webサイトの参観要項には京都事務所の受付しか載っていない。
東京でも申込可能で、おそらく京都事務所と同様に、比較的直前まで予約可能と思われるので、電話で確認してみることをおすすめします。[  ]は私の補記。

左記の宮内庁管理課参観係 [東京・皇居内] でも、手続に来庁できる方のみ [京都御所、仙洞御所、桂離宮修学院離宮の] 若干名の受付をしています。詳細は電話でご確認ください。
電話03-3213-1111(代)

皇居坂下門より入退門。要身分証。場所はおそらく宮内庁本庁舎。受付時間は京都事務所と同様。
http://www.kunaicho.go.jp/kunaicho/madoguchi/madoguchi.html

その他注意点

○集合時間
参観時間の10分前。定刻に行っても遅いのでくれぐれも注意。多くの人は参観時間の20分前には来ていた。修学院離宮では15分前に来た私が一番遅かった。

2015後記 2014年頃から、許可証の集合時間が定刻に変更になったようなので、時間通りに行けばよくなったようです。なるべく早めに行ったほうがよいとは思います。


○許可証の他に身分証を持参のこと。


○いずれも入り口がわかりにくい。
京都御所参観入口の清所門は、観光ガイドには大抵載っていない(というか、載っている観光ガイドを見たことがない)。有名な蛤御門と勘違いしがちだけど、蛤御門からは遠い。御苑のさらに中にある門なので、わかりにくく注意。
京都事務所と同じく乾御門の近く。最寄りは地下鉄今出川駅、バス亭烏丸今出川
他にも仙洞御所の入口は御苑内部の大宮御所正門、桂離宮の入口はバス停から5分くらい桂川沿いを回り込み北側にあるなど、観光ガイドや一般の地図に載っていない場所が受付になっている場合が多い。途中の案内も少ないし、入口前にもほとんど何も書いていないところが多いので、宮内庁webサイトの地図でよく確認しておくこと。


○いずれも建物内には入れない。
建物は庭側から覗くだけ。雨の日は完全に雨ざらしなので、かなり辛いことになる。京都御所に行った時は台風でほんとに大変だった。悪天候時は防水の靴を履いて行った方がよいかも。


○撮影
「スナップ程度なら自由」とのことだけど、他の参観者と一緒に行動なので、ひと気のない写真を取るのは難しいし、他の人を押しのけたり三脚を使ったりはマナー違反。
ガイドさんと皇宮警察の方の2名に付いていく形で、あまり遅れると注意される。


桂離宮
書院の障子が閉ざされていて、桂棚などで有名な内部は見られない。中に入れないのは仕方ないけど、せめて障子は開けてほしい・・・
松琴亭ほか茶室は内部も覗ける。
実際行ってみると阪急電車や車の音が結構うるさいのが難点。
参観者の待合室は大抵プレハプのような小さな建物だけど、桂離宮だけはやけに立派で、市女笠型の引き手や
水仙の釘隠し
 ←1975年新年用年賀切手の図案にもなっています。
など、書院内にあって通常見られないものが展示されている。


交通は、バスより阪急桂駅から徒歩の方がおすすめ。河原町駅から10分ほど。


修学院離宮
客殿は中を覗け、有名な霞棚も見られる。一番郊外にあるので静か。
周囲の田畑も庭の一部となっているのは、もともと民衆の営みを見るための上皇の設計とのこと。地元農家が稲のほか野菜なども栽培している。
修学院離宮はかなり歩く上、高低差があり、途中日陰の少ない道なので、ガイドさん曰く、真夏にだけは来ない方がよい、とのこと。遠方の人など季節を選べないと辛い。
参観時間が長めだが、参観ポイントがそれぞれ離れていて移動時間がかかるためで、見どころは桂離宮とそう変わらない気がする。


交通は出町柳から叡山電鉄修学院駅(とあるアニメで使われて有名)で下車、徒歩15分くらい。ハガキには20分と書いてあるけど、老人の足の場合。
バスは時間が読めないし、市バスの一日乗車券が使えないので、あまりおすすめしない。


京都御所
紫宸殿はコースから外れており、かなり遠巻きに望むだけ。
(春秋の一般公開時は予約参観とコースが少し異なり、近くから見られるとのこと)


 
画像左は往復はがきの許可書、右は宮内庁京都事務所で前日に直接発行してもらった許可書。上部に住所氏名などを書く。

西芳寺(苔寺)

http://www.pref.kyoto.jp/isan/saihouji.html
http://tabinoshiori.web.fc2.com/kokedera.html

西芳寺は往復ハガキ申込枠のみ。
(団体さんは別枠がある? 不明)
参拝希望日の二ヶ月前から受付、一週間前まで必着。だいたい一ヶ月前までに申込めば、混雑期を除き満員ということはなさそう。


はがきは特に書式はなく、以下のことを書く。

往信表 〒615-8286 京都市西京区松尾神ヶ谷町56 西芳寺参拝係 御中
裏 拝観希望日・同伴人数・代表者の氏名・住所・電話番号
返信表 返信住所氏名
裏 空白

時間は選べない。日程は選べるので、満員だった時のために第三希望くらいまで書いておいた方がよいかも。法要など宗教行事のため、参拝をしない日もあるらしい。


写真のような文面がスタンプで押された返信がある。
午後1時から1日1回の参拝のことが多いようだが、人数が多い時は午前11時からも参拝を行うとのこと。
宮内庁関連と違い、土日の参観もできるようだが、混むので避けた方がよい。
冥加料は「3000円以上」とあるが、原則3000円で済む。それ以上包まなければならないような雰囲気は一切ない。
(騒々しい観光客を締めだすための措置というが、それにしてはこのお値段は納得行きませんね・・・)


周知の通り、宗教行事に参加が必須。通常は般若心経の写経だが、冬季は本堂が寒いため、お札を書いて読経のみとのこと。写経の際は同時に読経も行う。
「細筆を持参ください」と返信ハガキにあったので筆ペンを持って行ったが、お寺に筆と墨をすった硯が備え付けてあるので必要なかった。ただし筆ペンの方が早く書きやすく写経できるかもしれない。私はせっかく本物の筆と墨があるのだからと、備え付けので書いた。書きにくくやや手こずった。


まっさらな半紙に書くのではなく、薄く般若心経が印刷された上をなぞるというのもので書きやすい。「なんちゃって写経」という感じ。願い事を書く欄があるのでせっかくだから心願成就などを。
写経は早い人で30分くらい、自分の場合40分くらいかかった。椅子席もあるが少ないので正座だとかなり辛い。途中で足を崩してしまった。


宮内庁関連と違い、団体さんの受け入れもしているようで、少し鬱陶しかった。彼らを含めると参拝者は50人以上いたか? 
ただし団体さんも同様に写経・読経をしなければならない。


拝観時間は一時間半程度だが、宮内庁関連のように参観の順番が決まっていたり退出を迫られたりすることはないので、もう少しゆっくり滞在することもできる。私は団体さんなど他の人がほとんど帰って静かになるのを待ってゆっくり拝観した。


苔が一番見頃なのは梅雨時とのこと。ただし他の寺院も参拝する人にとっては梅雨時は困る・・・
想像だが苔が成長するのは梅雨から夏頃と思われるので、初秋あたりも比較的見頃ではないだろうか。
苔寺ほどの規模ではないけど、大原三千院、嵯峨野の祇王寺野宮神社などの苔もなかなか見事である。
桂離宮の苔も見事。かなり力を入れて育成しているらしい。


交通はバスだと渋滞、停留所の多さなどで時間が読めないので、阪急電車がおすすめ。阪急河原町駅から桂駅まで10分くらい、阪急嵐山線に乗り換え上桂から徒歩15分くらい。
嵐山線は本数が少ないし、どのみち歩くので、時間がない時は桂駅からタクシーがおすすめ。1000円以下だったと思う。


周辺神社仏閣だと鈴虫寺が有名だけど、言ってはなんだが西芳寺の予約がなく入れなかった人が代わりに行くところなので、パスしてもよい。地蔵院はそれなりに見どころあり。
あと松尾大社は全国の日本酒蔵の最高の聖地なので、一見の価値あり。

西本願寺

西本願寺の書院や飛雲閣も、事前に予約すれば参観できるとのことで、行ってみた。門徒にしか見せてもらえないのだと思っていた。下記を参考にさせていただきました。
http://blog.goo.ne.jp/hirokikurioka/e/ce18b654f90691f3c33272e987d81e7a


境内で配っている参拝案内にも、下記の記載があった。webサイトには載っていない。

書院、飛雲閣などの国宝や重要文化財の建物は拝観することができますか?
  事前予約制にてご案内を実施しております。龍虎殿までお問い合わせください。

集合場所の「龍虎殿」はお寺全体の事務所のようなところ。かなり近代的な建物で、外観だけ和風にしている。
強制ではないが、「懇志」という形で若干の寄付を求められる。寄付するとお線香の箱をいただける。
写真撮影は禁止。


参拝は1時間ほどと聞いていたが、実際には40分ほどだった。
お坊さんの詳しい説明とともに、虎の間、南能舞台、書院対面の間、東狭屋の間、虎渓の庭などが見られる。白書院、黒書院、北能舞台などは見られなかった。残念。時期により見られたり見られなかったりすることがあるのかもしれない。黒書院はかなり稀にしか公開されないよう。
しかし対面の間だけでも大変素晴らしく、御殿建築としてはこれまで観たことのない圧倒的な風格を感じた。二条城二の丸御殿と同格か、それ以上ではないだろうか。
白書院などはもっとすごいんだろうなあ・・・


飛雲閣は外観のみ。
5/20と5/21の宗祖降誕会親鸞誕生日)には、飛雲閣の初層に入れるらしいが、「懇志」5000円以上とのこと。
境内からも飛雲閣の三階部分は覗ける。敷地の南部堀川通沿いにある。


ついでに書くと、有名な国宝の唐門は自由に見られる。
唐門のすぐ外は龍谷大学大宮キャンパスで、和洋折衷の独特な近代建築(1879年築・重要文化財)は一見の価値がある。こちらも内部を公開する時期があるらしいが、外観だけなら普段から見られる。ただし西本願寺側から通り抜けが出来ないので、いったん堀川通側に出て回りこむ必要がある。


ASIN:4894167131:image:small
西本願寺への誘い
http://www.amazon.co.jp/dp/4894167131/
に、非公開文化財の写真、巻末に非公開エリアの詳しい間取りなどがあるので参考になる。図書館などで借りられれば読んでみてはどうだろうか。

紅葉にはこだわらない方がよい

基本的に紅葉期の京都はどこも激込み、車の渋滞などもひどいようなので、関西地元でない初心者は避けた方がよさそう。
紅葉なら他所でも観られるし、京都の紅葉自体がそれほど美しいわけでもない。あくまで文化財とのコントラストが美しいに過ぎない。
落葉樹の多い東日本の山などの紅葉の方がよほど美しい。マスコミに踊らされ過ぎという気がする。


ただし紅葉期には非公開文化財の特別公開が多くあるので、これらが目当ての通ならば行く価値はある。しかし通常期に観られる文化財をわざわざ紅葉期に観に行く事はない。
まして通常期でも予約しにくいところを観るのであれば、紅葉期は避けるべき。他の時期に一度観た人が、やはり紅葉も観たいというのであれば、高い倍率でも駄目もとで申し込めばよい。
個人的には、春は桜が終わった頃から梅雨前まで(4月中旬から6月上旬)、秋は涼しくなってから紅葉前まで(9月下旬から11月上旬)が、暑くも寒くもなく快適で、比較的混まず、よいと思う。
もっとも上に書いた通り新緑期もそれなりに混み、やや予約が取りにくい季節なので、スケジュールに余裕を持って予約した方がよい。

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