重石を乗せる意味

漬物で野菜から水が出てくるのは圧力をかけているからではなく、塩の浸透圧による。昔NHKの番組で塩をまぶさず数百キロの重石を乗せて漬物を仕込んでも、全然水が出なかったという実験があった。


ではなぜ重石を乗せるのかというと、効率良く水分を染み出させるという理由もあるが、野菜から出てきた汁に浸して空気から遮断するという理由が大きい。
漬物で働く乳酸菌は嫌気性(酸素を嫌う)。
一方、野菜を腐敗させる菌は酸素を好むので、空気が間に入った状態だと乳酸菌が働きにくく、腐敗しやすくなる。
重石を載せていれば野菜から気泡が出てきても絞り出され、ほぼ空気に触れず漬物液に浸した状態を保てる。