過去の音楽しか聴かない時代が来た

今の音楽がつまらない。
10年前のヒットアルバムをアマゾンとかで中古1円プラス送料で買っても、そっちの方が良かったりする。それなら3000円も新譜に出すのが馬鹿らしくなる。新譜で良い物は現在極めて稀である。
そういえば私も、今活動している音楽家で聴いているのはKalafinaクラムボンスピッツくらいである。松任谷由実は80年代で終わっているし、中島みゆきも最近は・・・うーん。小島麻由美は、どうしちゃったのだろう。セールス的に厳しいのか・・・?


ロックが生まれたのが1950年代後半、ボチボチ50年になる。60-80年代の黄金時代を経て、今の音楽はどうだろう。
「50年仮説」というのがある。あるジャンルの生命は50年というのだ。ポップスはそれになんだか当てはまっているようにも見える。
(余談だけど「初音ミクPerfumeの夢を見るか」、真剣に考える時かもしれない)


クラシックの世界でも昔から同じようなことが起きてきた。
ニコラウス・アーノンクールが書いていて、うろ覚えだけど、
18世紀までの人は「現代の音楽」を聴いた。19世紀になると過去の音楽も聴くようになった。20世紀になるともう過去の音楽しか聴かないようになった。


例えばモーツァルト時代の人はモーツァルトを聴き、モーツァルトが死んだら「モーツァルトなんてもう時代遅れ」と、過去の音楽は顧みもせずベートーヴェンなんかを聴き、ベートーヴェンも晩年にスランプと言われるようになると(実際には難解で受けなくなっただけなのだけど)、人々はロッシーニなんかに走ったりする。その後はロマン派である。
18世紀末の古典派の頃までは、過去の音楽は基本的に、作曲家などのプロが創作の参考や練習曲にするためのものだった。


しかしロマン派の頃から人々は、過去の音楽を顧みるようになった。メンデルスゾーンによるバッハ「マタイ受難曲」の再演がきっかけになったとも言うし、他にも色々あったとも言う。
そして20世紀。よくわからない音楽ばかりになり、クラシックを聴く人はもう現代音楽を聴かなくなり、過去の名曲しか聴かなくなった。


なぜ過去の名曲しか聴かなくなったか。
新しいもので良い物を作れなくなったからと思われる。