どのくらい動けば演奏上問題ないか

おおむね以下くらいに薬指が動けば、演奏に支障はないと思う。別にピンと上がらなくても問題ない。
手首の力や運指だけではどうにもならないことは、だいたい以下の2点である。


1.音階などで345の部分がモタッとした感じでつながらないようにし、一つ一つの音をはっきり分離して弾けるようにする。

初級者は例えば、モーツァルトのK.545ソナチネソナタ1楽章5小節からの音階地獄とかで、そんな風になりがち。この曲は展開部・再現部で左手にも音階があるので、なかなか厄介。
下の項目の、ピシュナの練習が有効。
このような箇所も、ある程度手首を回すように意識しながら弾くと弾きやすい。9小節のド#を4で弾くところなどで特につまづきやすいが、手首で薬指を持って行って黒鍵にあてがう感じで弾くとよい。


2.3度の和音を35で弾く時、4で間の音を弾いてしまわない程度に上げる。

これは練習というより慣れの問題と思う。以下のように指使いや手首の形に気を付ける。
またこのような音形を含む曲を多く練習することで、だんだん上がるようになる。

○薬指が鍵盤と平行になるくらい上がれば充分。

○小指を曲げると釣られて薬指も曲がってしまう人がほとんどだと思うので、小指はまっすぐ伸ばして弾く。中指は逆に曲げた方が、薬指が上に浮いて上げやすい。個人差もあるが、中指と小指が同じ長さになるくらいに曲げる感じだろうか。

○手首はなるべく低い位置にした方が上げやすい。手首を鍵盤と同じくらいの高さにする。

○手首を低くするためには肘を低くし、肘を低くするためには椅子を低くするのが効果的。椅子は慣れないうちは高いよりは、やや低めの方がよい。高さ可変椅子が重要なのはこのような時のため。
ある程度上達するとそれほど椅子の高さは気にならなくなるが、初級者のうちはかなり気になる。
指のために体の高さを調節してやる。ショパン曰く「腕や体は指の奴隷になるべき」

○鍵盤に4が当たってしまっても、音が鳴らなければ問題ない。当たらないくらい上がればなお良いのだが。

○4のあたりに黒鍵が来る音形だと厄介。運指を変えるか、どうしても他に方法がなければ、当たっても鳴らないようにすればよい。