「ボストーク」ドッチファイル(パイプファイル)式切手アルバム(実用新案出願中)ウソ

 
どうも十数年ぶりくらいに切手にはまっている。実家から昔使っていたアルバムやストックブックなどを持って帰ってきたり。
といっても本格的な整理などはめんどくさいので、アルバムはもっぱら仮貼りのような状態で、コメントはシャープペンシル書きである。


気がついたら切手収集(その筋では「郵趣」という)はもはや、絶滅危惧の趣味になりつつあるらしい。昔は近所の文房具屋さんに行けばストックブックを売っていたり、デパートのおもちゃフロアに行けば切手のコーナーがあったりしたものだけど、もはや昭和の時代の話である。そんな「滅びゆくものへの郷愁」みたいな感情もあって・・・
今や切手収集用品の、やや一般的でないものは目白の「切手の博物館」(日本郵趣協会=日本を代表する切手趣味団体 の建物と、郵趣サービス社の販売コーナーを兼ねる)
http://yushu.or.jp/museum/index.html
に行かないと手に入らない(そういえば代々木にあった頃、一度行った。歳がバレるな・・・)。
ネット通販
http://www.yushu.co.jp/shop/c/c40/
もあるけど送料が結構高いし。


でまあ、目白に行っていろいろ必要なものを買ったりした。ピンセットなども、昔使っていたのは切手をつまむと微かに傷がつくようになっていたので、買い換える。
ショウガードのピンセット
http://item.rakuten.co.jp/yamabun-r/kc1a0007x?scid=af_pc_etc&sc2id=256873303
は刃物で有名なゾーリンゲン製でとても美しく、使いやすい・・・
上の写真右の、グレー色というリーフが新発売されており、白色に比べて切手が映え、しかも書き込みもちゃんと読めて、これがなかなかよい。100枚入りで標準リーフの200円増しだから、一枚2円の違い、グレーの方がよい。


切手収集のことをあまりよく知らない方に一応解説すると、「アルバム」というのは多くの一般人が「切手アルバム」だと勘違いしている、切手を挟んで収納する「ストックブック」とは別物である。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%87%E6%89%8B%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0
上の写真のような台紙に、ヒンジやマウントといった用具で貼り付け、レイアウトし、解説も自分で書くというものである。
文具のテージー社などはストックブックを「アルバム」と名づけ販売していたりするので、
http://www.teji.co.jp/catalog/Colle_b.html
なおさら紛らわしい。


日本郵趣協会の公式見解では「ストックブックに切手を入れているだけの人は収集家とは言えない」のだそうで、昔から、「別にストックブックでいいんじゃね?」という人との間で論争になっているところだ。
確かに、「きちんとテーマ性を持ったコレクションというのは、アルバムを使わないと作れない」、というのはまあ正しいと思う。
けど、「ボストーク日本切手アルバム」
http://www.yushu.co.jp/shop/c/c400201/
のような出来合いのアルバムに切手をただ収めるだけだったり、切手カタログを見ればわかるようなことしか書いていないアルバムなら、別にストックブックでいいんじゃね、とも思う。よっぽどきちんとしたテーマ性がないなら、まあストックブックでもいいかな。特に未使用切手の場合はマウントを切るのもめんどいし・・・そんな事言ってるからますます収集人口が減るんだし・・・


しかし切手アルバムのバインダーというのが、不便だ。昔ながらの古めかしいリングファイルで綴じるようになっている。しかもそのリングは切手アルバムにしか通用しない「3つ穴式」で、まるで互換性がない。「ボストーク」というアルバムのシリーズではいろいろなグッズが出ていて共通して使えるのだけど、
http://www.yushu.co.jp/shop/c/c400105/
切手収集業界の外では全く通用しない。
じゃあ国際的な切手収集の場で通用するのかというと、どうもそうではないらしい。インターネットなどというものは昔は無かったので知らなかったけど、海外郵趣用品社、例えばギボンズ
http://www.stanleygibbons.com/
を見ても、3ツ穴式はどうもガラパゴスな形式らしい。4ツ穴や2ツ穴や10以上開いているのなどが標準のよう。サイズは国際切手展などのために大体統一されているようだけど、穴は割とどうでもよいらしい。


しかもバインダーが高い。60枚収納の「ユニ」で1200円、最近出た100枚入る「バリュー」で1600円程度。リーフは一枚10円程度なので、「アルバム代」とは、ほぼ「バインダー代」といってもいいくらいだ。


同じような事を考える人はベテランの中にもいるようだ。
http://home.att.ne.jp/omega/c-breaker/philaessay.html

半端なアルバムばかり作って、短期間で廃版にするのをくりかえしているから、ユーザーにあきれられて、市販の厚手のA4用紙でパソコンリーフを作られ、クリアファイルをアルバム代わりに使われてしまい、アルバムの売り上げがさらに落ちるのです。


ドッチファイル(パイプファイル)なら安くて使いやすいのに、とふと思った。
要するにリーフはほぼA4サイズなのだから、市販のファイルを使えばいいんじゃね、と(正確には横にやや長く、縦にやや短いが、A4ファイルにほぼ入る)。
はじめは穴を開けなくても綴じられる「レバーファイル」「Z式ファイル」ではどうだろうと考えたけど、穴がないと綴じる枚数が限られる。上の人が触れてるクリアファイルというのも、挿し込むのが結構めんどい。


だったら日本共通の(世界標準なのかどうかまでは知らない)標準8cm間隔の2つ穴を開けてパイプファイルに綴じてしまえばいいのではと考え、やってみた。
パイプファイルは
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B000IGWPHC
を買ってみた。厚さ5cmで400円台と、実に格安。さすがに8cmは厚すぎて使いにくいだろうからやめた。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB_%28%E6%96%87%E5%85%B7%29
こちらによるとどうも「ドッチファイル」というのは両開き式のものをいうようで、これのような片開き式は、「パイプファイル」と呼ぶようだ。しかもどちらもキングジム社の商標で、コクヨなど他社は呼び方が違うよう。ややこしや。
パイプファイルというのは案外、文房具屋では売っていない。東急ハンズでも一・二種類しかない。
確かに家庭でパイプファイルを使う人はあんまりいないな、じゃあ通販か、と。


でもって、ズバッと思い切って、リーフに穴を開けてみる。まあ実に不恰好だが、実用上特に問題はない。
途中からリーフを取り出せるし、リングファイルのようにリーフがフラフラ不安定な感じもないし、なかなか快適である。
デザインが事務用品でいかにも味気ないのが難点だけど、5cm厚で「バリュー」バインダーの二倍、通常バインダーの三倍以上の、250枚程度綴じられそう。普通のコピー用紙だと500枚綴じられるのだけど、リーフのみを綴じるのと違い、切手の厚みの分、二倍近く厚みが違うのでちょっと少なめだが、リングファイルとは比べものにならない。
コストも100枚1600円に比べ250枚400円台なら、八分の一以上安上がりである。


たぶん他にやっている人はいると思うけど、どうでしょうか、郵趣サービス社さん、「5つ穴」を商品化してくれませんかねぇ?
まあすでに展示用の穴なしリーフを売っている位だし、自分で開ければいいものをわざわざ販売したりしないだろうけど。


あと、新宿切手センターがかつて入っていた真珠宮ビルをめぐるキナ臭い話なども。なんかゾッとする。センターにはとんだとばっちりだったようだ。
http://ym-akasaka.seesaa.net/article/30222243.html
センターは移転、ビルはすでに解体されたよう。
http://straydog.way-nifty.com/yamaokashunsuke/2011/06/post-d634.html