監修者は著者か?

http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20070813

だれそれ監修、あれこれ著、とあったら、たとえだれそれの名前がどれほど大きく出ていて、あれこれの名前がどれほど小さくても、書いたのはあれこれさんです。だれそれさんは、何もしていません。ですから、「監修」「監訳」とあるのは、その人の書いた本ではありません。「監修」というのは、「大物なので名前を貸した」という意味です。「責任編集」も、それに近いです。国会図書館は、「監修」や「責任編集」を、その人の本と認めないようにしたらどうでしょうか。

図書館目録の世界では前からそうなのだが、あれ、小谷野敦さん、ご存知なかったのかな?
「監修」や「監訳」などは、目録では著者とはみなされない。
国会図書館NDL-OPAC
http://opac.ndl.go.jp/
の『オリエンタリズム』の標記

請求記号 GE41-57
タイトル オリエンタリズム
責任表示 エドワード・W.サイード
責任表示 今沢紀子訳
出版地 東京
出版者 平凡社
出版年 1986.10
形態 424p ; 22cm
シリーズ名 テオリア叢書
注記 監修:板垣雄三,杉田英明

つまり著者に準ずる訳者(責任表示)は今沢紀子、
監修者は名前を貸しただけだからオマケの「注記」扱いである。もちろん監修者の文字がどんなに大きくても同様である。


国会以外でも、公共図書館(「日本目録規則」による)、大学図書館(「日本目録規則」、「目録情報の基準」「目録システムコーディングマニュアル」による)、も、おおむね同じである。

上・コーディングマニュアルより

F3.1
 責任表示とするものの範囲については、NCR87Rの2.1.5.1(責任表示とするものの範囲)の規定に従う。ただし、所定の情報源上にある監修者、監訳者等については、著者、訳者など、より直接的に関与した責任表示がある場合は、それを責任表示とし、監修者、監訳者等はNOTEフィールドに記録する。より直接的に関与した責任表示がない場合には、監修者、監訳者等を責任表示として記録する。


Webcatの記述

オリエンタリズム / エドワード・W. サイード著 ; 今沢紀子訳<オリエンタリズム>. -- (BN00429979)
東京 : 平凡社, 1986.10
v, 424p ; 22cm. -- (テオリア叢書)
注記: 監修: 板垣雄三, 杉田英明 ; 原著(New York : Georges Borchardt, 1978)の全訳
ISBN: 4582744028