宮崎アニメの少女の服について

nenemuu2006-11-06

http://blog.goo.ne.jp/kurokuragawa/e/58f833f79652e234e4b08a3712147afd
こちらを読んで考えたことなど。


毛はもう生えてるような気がするけど いや、そういう問題じゃなくて。
言われてみれば「ラピュタ」のパズーとシータって、どうも年齢不詳である。
というより、行動と絵が合っていないようにも感じられる。
パズーの声(田中真弓)が男性の声優だったら、シータの声(横沢啓子)がもう少し幼い感じの声優さんだったら、これまたかなりイメージ変わりそうである。


で、服の話である。
ラピュタ」をよく見ると、三兄弟がシータを女性として見るようになるのは、ドーラのお下がりのデカ服を着た場面からである。
それまでは「嫁はいらない、飛行石さ」などとうそぶいたり、うまいメシが食えると喜んで「おさんどん」と見ていたりするにすぎない。
そうすると、母の服を着ているシータに「(・∀・)イイ」な三兄弟って、やっぱりマザコン(笑)。


宮崎アニメではヒロインの服が変わることがストーリー展開上、重要な意味を持っていることが多いようだ。
特に「ナウシカ」と「ラピュタ」で顕著である。
(最近のはそうでもないかもしれない。「千と千尋」の仕事着くらいかな)


ラピュタ」のシータは作品中で4種類の服を着ている(3回着替える)。
空から落ちてきた時
パズーの服を変装で着る時
要塞で与えられた服
ドーラのお下がり
である。いずれも重要な場面転換になっている。


ナウシカ」はまあ言うまでもないでしょう。
ただ特に興味深いのは原作の方で、
ナウシカ曰く「風の谷のわたしが 王蟲の染めてくれた 土鬼の服を着て トルメキアの船で 出かけるのよ」原作2巻p.94)
腐海はこの星を浄化している」的世界観を宮崎氏が弊履のように捨て去る、その瞬間に、ナウシカの「青き衣」は「シュワの墓所」の使いであるヒドラに、ビリビリに裂かれてしまう。


そしてその後に着る服が「シュワの墓所」で作られた服と、クシャナにもらったマントなのは、なんとも象徴的である。
そしてそれが「王蟲の血よりもっと青い」色に染められる、と。うむうむ。


カリオストロ」のクラリスは・・・婚礼の服以外はどこで着替えるかあんまり覚えていないけど、白い服しか着ていないというのは、わりとよく指摘されるところ。
「無垢のイメージから」だとか、それがジェンダー的にけしからんとか、なんやかやとガヤガヤ。


ラナは・・・着たきりスズメだっけ? ハイハーバーでは違う服を着ていたような気がするけど、あんまり覚えていない。
テレビ作品の場合、セル作画枚数の節約とか、大人の事情がありそうな気がする。
うーん、やはり上記2作品だけの演出かもしれない。


・・・しかし、ロリコン軍事ヲタクなのに宮崎駿、世渡り上手いなあ。


上の絵はドーラの部屋にある、ドーラ若かりし頃の写真、というのも、割とよく知られたところ。


(後記 07/1/1)
実際「ナウシカ」にしても、最後のあのどんでん返しがなければ、オウム事件の時にずいぶん叩かれていたでしょう。そういうところも機を見るに敏というか。


あと、テトがユパの「化身」的役割を果たしているというのも、みんな指摘してるとは思うけど、念のため。