ダメな図書館目録の例

http://jurosodoh.cocolog-nifty.com/memorandum/2005/07/post_f945.html
及び補遺で話題に。
ずっと目録にタッチしたことがなく、あんまり詳しくないんだけど、固有タイトル主義の欠点が出てしまった感じですなあ。
萌える法律読本』の表紙画像からすると
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/large/4839915555.jpg
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/large/4839915563.jpg
著作権法, 不正アクセス禁止法・・・」うんぬんはサブタイトルや巻号名ではなく、単なるアオリ文句のようにも見える。雑誌の見出しみたいなもんかなあ? タイトル表記とするのなら下の方の「どうなる!?逆輸入CD・・・」とかだって無視できないだろうし。表題紙を見ていないのではっきりしたことは言えないけど。
「ディジタル時代の法律篇」を固有のタイトルとして表示し、叢書名『萌える法律読本』とするのがNC的には妥当なのかな、という感じ。これも変といえば変なのだが。
サブタイトルとして処理してしまった方が合理的な気がするけど、規則上はそうはいかんのかなあ。


http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/MAN/KIJUN/m4_4_2.html
「目録情報の基準」で、固有のタイトルにならないもの。

柳田国男全集』 http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA32787015
廣松渉著作集』 http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN14597122
廣松渉著作集』は固有のタイトルがあるから子書誌、『柳田国男全集』には無いから1つの書誌ということみたいですね。柳田全集は内容が列記されているだけで、これといったタイトルらしきものが見当たらないから、こういうことになったのかな。表題紙をみないとわかんないが。
ていうか、表題紙第一主義自体が日本の実態に合わない、っていうのもよく言われるところ。


アインシュタイン・ショック』という本の場合
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA70938137
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA71342686
こんなわけのわからない書誌になる。普通の読者から見れば「アインシュタイン・ショック」がタイトルだと思うだろうに。この本の場合はまだ背表紙に小さく載ってるからマシだけど、背表紙どころか表紙にも載っていない書名がメインになっていることもあったりして。
この本は叢書名が岩波現代文庫だから、孫書誌になる。こういう本だと簡略化された事務用の書誌では「アインシュタイン・ショック」が表示されないという、ひどい事態にもなってしまう(親の「岩波現代文庫」と孫しか出ない)。
アマゾンではどうなっているかな? →ISBN:4006031084
ドイツ語とかフランス語とかの叢書ものは、ひ孫ぐらいまでありそうな、さらにわけのわからないものがゴロゴロある。私にはカタロガーは無理ぽ・・・


ダンテ『神曲』の場合
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BN01051410
「地獄」は地名なのか? それとも「対になって用いられる一般的な名称」なのか? 「その他の順序付けのための名称」なのか?


「バランスしない書誌構造」というのもある。
http://www.nii.ac.jp/CAT-ILL/PUB/nl/nl-70-08.html
例えばわかりやすいのはこんなの↓。
http://webcat.nii.ac.jp/cgi-bin/shsproc?id=BA62517916
1-9巻は親に直接ぶら下がっているのに、10からは固有の巻号があるので、子書誌が作られている。


しかし確かに、まったく利用者の視点に立っていない、とは言える。